パブリッシャーのNew Blood Interactiveは10月16日(金)、レトロスタイルのサバイバルホラーゲーム『Tenebris Somnia』を発売した。本作はアルゼンチンの映画監督でインディーゲーム開発者のAndrés Borghi氏と開発スタジオのSaibot Studiosが共同で制作し、2Dのドット絵によるゲームプレイとブエノスアイレスで撮影された実写のカットシーンを組み合わせている。
約4年の制作期間を経て公開された本作は、生成AI(人工知能)を一切使用せずに人間のクリエイターの手作業のみで完成させた点が特徴だ。『FAITH: The Unholy Trinity』の制作者であり、本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるAirdorf氏は、生成AIの不使用について「たとえ近道をするために生成AIを使っていたとしても(そもそも使い方すら知らないが)、良心に恥じることなくこれをNew Blood Interactiveのゲームと呼ぶことはできなかっただろう」と述べた。
Tenebris Somniaの対応プラットフォームと配信・販売データ
本作は2026年10月16日よりデジタル配信が開始され、パッケージ版についてもディストリビューターのLost in Cultとの提携による発売が発表されている。発売時点の対応機種や言語、プロモーションに関する基本情報は以下の通り。
あわせて読みたい: カプコン社内でバイオハザード リベレーションズ刷新の討議が浮上 インサイダー情報で判明
- 対応プラットフォーム:PC(Steam)、PlayStation 5、Xbox Series X/S、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2
- 発売記念プロモーション:Steamプラットフォームにて20%の割引セールを実施
- 人間の翻訳者による対応言語:日本語、英語、ブラジルポルトガル語
- 関連コンテンツ:ゲーム発売後に制作の舞台裏を収めた完全版ドキュメンタリーの公開を予定(具体的な公開日は未定)
ブエノスアイレスでの実写撮影とTenebris Somniaの特殊造形技術
実写パートの撮影はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで実施された。Andrés Borghi氏が絵コンテを緻密に計画して監督を務め、映画『O Mal que Nos Habita』で受賞歴を持つMarcos Berta氏が怪物のプラクティカルエフェクト(特殊造形)の監修を担当している。怪物の造形をリアルに表現するため、俳優の顔から型を取ってシリコンマスクやプロテーゼ(特殊メイク用の人工装具)を作成し、数時間をかけてメイクアップと共に再装着する手法が採られた。限られたCGI(コンピューターグラフィックス)と実際のセットを統合させ、ゲームのドット絵の 배경と実写の撮影セットを一致させている。
ロケ地での撮影では、17世紀に建てられたアルゼンチンの大聖堂の床を偽の血で覆ったほか、深夜の地下鉄で密かにシーンを収録した。また、俳優の下から照明を当てる効果を正確なタイミングで得るため、ブームマイクのオペレーターが20メートルを全力で走り、最後の2メートルを膝で滑り込むといった撮影も行われた。ゲーム内のアートやアニメーションはフレームごとに手描きで制作され、音楽も人間の作曲家が手がけている。
続きを読む: リークではエージェント レオン・ケネディに焦点を当てた新たなホラー拡張の詳細が明らかに
Tenebris Somniaのゲームプレイにおける実写演出とキャスト構成
物語の主人公は、元恋人が怪物に八つ裂きにされる悪夢に悩まされている若い女性のJuliaだ。彼女は心の平穏を求めて元恋人の様子を確認するために彼のアパートへ向かうが、そこで夢を超える恐怖の世界に直面する。従来のレトロゲームではクリア後の報酬として用意されることが多かったカットシーンだが、本作ではゲームプレイに直結しており、いつ始まりいつ終わるかがプレイヤーに分からない仕組みになっている。実写映像が突然プレイヤーを敵の目の前に配置したり、戦闘の直後に再生されたりすることで、グロテスクな詳細を突きつけながら緊張感を持続させる仕様だ。弾薬や回復などの限られたリソースの管理、ボス戦、パズル要素、サウンドデザインといった古典的なサバイバルホラーの要素が組み込まれている。
実写パートに出演する主なキャストと制作陣の役割は以下の通り。
- Clara Kovacic:主人公Julia役(アルゼンチンのホラー女優)
- Pedro Merlo:Ivan役
- María Eugenia Rigón:Vitra役
- Esteban Prol:Sanguis役
- Yael Tesouro:実写メインキャスト
- Tobías Rusjan:Saibot Studios代表および本作のプログラマー
2022年から始まったTenebris Somniaの開発経緯と古典作品からの影響
『Tenebris Somnia』の構想は2022年半ばに始まった。『The Black Heart』の制作者であるAndrés Borghi氏が、New Blood Interactiveの過去のホラー作品『FAITH: The Unholy Trinity』のライブ配信を行っていた際、ドット絵のホラーゲームに実際の俳優、実際のロケ地、本物の特殊効果を用いた実写カットシーンを組み合わせるアイデアを思いついたことがきっかけだった。その後、『Hellbound』を手がけたSaibot StudiosのTobías Rusjan氏と共にデモ版の制作に着手し、2023年9月に最初のデモ版を公開した。完成した企画を受け取ったNew Blood Interactive(『DUSK』や『Blood West』のパブリッシャー)が契約を結び、制作予算を提供した。
本作は『Silent Hill』や『Resident Evil』といったサバイバルホラーの古典的名作から影響を受けており、それらの要素をNES(ファミリーコンピュータ)時代に着想を得た8ビットおよび16ビットの2Dレトロ美学へと落とし込んでいる。映画編集者であり視覚効果アーティストでもあるAndrés Borghi氏は発売にあたり、「プレイヤーがカットシーンを目当てにやって来て、物語を体験するために留まってくれることを願っている!」と語った。制作チームは完全版の舞台裏ドキュメンタリーの公開を計画しているが、その具体的な配信日時は現時点で確認されていない。
