ロシアの軍事情報チャンネル「Rybar」創設者のミハイル・ズビンチュク(Mikhail Zvinchuk)氏が、モンテネグロ治安当局によって身柄を拘束され、国家安全保障上の理由により国外退去処分を受けました。約150万人の登録者を抱える同ネットワークを率いる同氏を含むロシア人5人は、ハイブリッド工作に関与した疑いを持たれ、現地警察にドローンなどの機材を押収された上で退去を命じられました。 リサンにおけるミハイル・ズビンチュク氏らロシア人5人の身柄拘束と機材押収 元ロシア国防省報道担当官であるミハイル・ズビンチュク氏の身柄は、2026年10月9日金曜日の午前、モンテネグロ沿岸部のコトル湾に位置する町リサンで拘束されました。作戦はモンテネグロ警察および国家安全保障庁(ANB)が共同で実施し、ズビンチュク氏のほか、Rybarのクリエイティブディレクターを務める妻のワレリア・ズビンチュク氏、同プロジェクトの協力者であるセルゲイ・ベロウス氏、パベル・レカトルチュク氏、キラ・ドロシェンコ氏の計5人が対象となりました。初期の報道では拘束者を4人とする情報もありましたが、地元当局の詳細な記録により5人のロシア市民であることが確認されています。 捜査当局は外国人法に基づき、国内治安および国家安全保障への脅威を理由として5人全員に対する国外退去命令を発出しました。現場の捜索では、撮影用ドローン1機、写真用カメラ、GoProカメラ1台、複数の携帯電話など、高度なデジタル電子機材が押収されています。グループは約2日前にボスニア・ヘルツェゴビナから陸路でモンテネグロに入国しており、ツェティニェ修道院で映像撮影を行う予定だったと主張していました。 続きを読む: OpenAI GPT-5.6 の遅延: 米国政府は人工知能の国家安全保障上の懸念から早期アクセスを要求 スパイッチ首相が警告するハイブリッド工作と欧州統合への影響 モンテネグロのミロイコ・スパイッチ首相はソーシャルメディアのXにおいて、「モンテネグロは自国の利益を守っており、何者にも我々の欧州における未来を脅かすことは許されない」と声明を発表しました。さらに同首相は、「我々は、ハイブリッド行動と不安定化の試みが我々の欧州への歩みに容赦なく付きまとっていると警告してきた」と指摘し、同国の主権維持を強調しました。 モンテネグロは2017年から北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であり、現在は欧州連合(EU)への加盟交渉を進めています。西バルカン半島地域においてロシア政府に関連する偽情報ネットワークや影響力工作への警戒が強まる中、政府は情報機関による監視体制を継続して強化しています。 詳しくはこちら: 米国の専門家が協議会に参加、ハードデータと国家安全保障を求めるUAPを調査 米政府による1000万ドルの懸賞金と国際制裁の対象となった経緯 ミハイル・ズビンチュク氏が率いるRybarは、ロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシア軍内部の独自情報源を背景に戦況分析を発信し、クレムリン寄りの立場から世論形成を担う主要な情報発信源と見なされてきました。ウクライナ国防情報当局は同氏をロシアの侵略を支持する代表的な論客と位置付けており、イギリス政府および欧州連合は2023年以降、ウクライナの領土保全を損なう宣伝活動を行ったとして同氏を経済制裁の対象に指定しています。 さらにアメリカ政府は2024年、国務省の正義への報酬プログラムを通じて、ズビンチュク氏およびRybarのスタッフに関する情報に対して最大1000万ドルの報奨金を設定しました。米当局は、同組織が信頼できるニュース媒体を装いながら米大統領選挙への干渉を試み、世論の分断を画策したと非難しています。 モスクワのシェレメーチエヴォ空港への帰還 モンテネグロ当局による身柄拘束を解かれた一行は民間便に搭乗し、10月11日日曜日午前1時40分(モスクワ時間)にモスクワのシェレメーチエヴォ空港へ到着しました。モンテネグロからロシアへ帰還する際に利用された経由地や航空路線の詳細は、両国当局から公表されていません。
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