米Katalystの民間ロボット探査機LINKがNASAのSwift宇宙望遠鏡の軌道引き上げに失敗して大気圏再突入により消滅する
民間のロボット宇宙機LINKは、NASAのニール・ゲーレルス・スウィフト(Swift)宇宙望遠鏡を捕捉して軌道を押し上げる任務を果たせないまま、2026年9月25日金曜日に地球大気圏へ突入して燃え尽きた。この救出用宇宙機は、接近段階において推進系および姿勢制御システムに致命的な不具合を抱え、予定されていた救援マヌーバの実行が不可能となっていた。
観測衛星の運用寿命を延ばすための軌道上昇噴射が得られなくなったことで、学術観測機Swiftは降下軌道をそのまま辿ることになる。地上への無制御な大気圏再突入は、2026年11月初頭から同年12月末までの期間に発生すると予想されている。
低軌道投入後のごく初期の運用段階から、LINKには深刻な技術的トラブルが相次いで発生していた。機体に搭載されていた3基のリアクションホイールのうち2基が電気系統の故障により停止し、操縦能力が著しく奪われた結果、制御不能な回転運動に陥る事態となった。地上技術者が通信と姿勢制御を辛うじて回復させたものの、緊急措置に伴い推進剤が過剰に消費され、Swiftの固定把持部への最終接近と物理的捕捉は断念せざるを得なくなった。
Swift観測機から12キロ圏内への接近とドッキング計画の破綻
米国の民間企業Katalyst Space Technologiesが開発を担当した探査機LINKは、宇宙望遠鏡から約12〜15キロメートルの至近距離まで接近することに成功していた。ドッキング手順の中止が決定される直前には、機載センサーが外宇宙空間におけるSwiftの外観状態を鮮明に撮影記録していた。
Katalyst Space Technologiesの最高経営責任者であるGhonhee Lee氏は「LINKは容易な解決策が存在しない難題に立ち向かうために製造された機体だった。極めて厳しい開発工程を伴う野心的な任務であったが、我々は構想から打ち上げ、そして商業用宇宙ロボットの初運用に至る過程を1年足らずで駆け抜けた。目標のすべてを達成できたわけではないものの、これは将来に向けた確固たる基盤となる」と声明で説明した。
NASAは2026年9月3日をもって、共同運用に関する支援体制を正式に終了させた。その後も民間側であるKatalyst社は単独で3週間にわたり機体制御を維持し、大気圏への突入処分を行う直前までロボットアームの駆動やサブシステムの検証実験を継続した。
長寿観測機Swiftの運用開始から救出作戦終了までの経緯
- 2004年11月:宇宙におけるガンマ線バーストなどの高エネルギー天体現象を観測するため、Neil Gehrels Swift望遠鏡が軌道へ打ち上げられる。
- 2025年9月1日:ロボット探査機による救出作戦を具現化するため、NASAがKatalyst Space Technologies社と3000万ドルの契約を正式に締結する。
- 2026年7月3日:マーシャル諸島クェゼリン環礁より、ペガサスXLロケットを用いて救援機LINKが軌道上へ投入される。
- 2026年9月3日:NASAの管制センターによるLINKとの共同飛行支援作業が完了を迎える。
- 2026年9月25日:85日間にわたる宇宙滞在を経て、探査機LINKが大気圏へ突入し機体が完全に消滅する。
活発な太陽活動が招いた大気抵抗の増大と急速な高度低下
2004年11月に低軌道へ投入されたNeil Gehrels Swift宇宙望遠鏡は、自律的に高度を上昇させる自前の推進エンジンを一切備えていなかった。近年における太陽活動周期の極大化に伴い、地球上層大気が加熱・膨張したため、周回ごとに機体が受ける大気抵抗が急増し、想定を大幅に上回るペースで軌道高度が摩耗するように低下していた。
民間探査機LINKの打ち上げ準備期間を確保し落下を遅らせるため、NASAは2026年初頭に科学観測を一時停止した上でSwiftの機体姿勢を変更した。表面積を狭めて空力抵抗を抑える緊急措置が講じられなければ、救援機が宇宙へ到達する前に観測衛星はすでに墜落していたとされる。
NASA天体物理学部門責任者のShawn Domagal-Goldman氏は「当初より本任務は高いリスクと大きな見返りを伴う挑戦だった。介入がなければSwiftは年内に大気圏へ突入する運命にあり、観測終了は惜しまれるものの、軌道上サービス技術の進歩や前例のない開発速度への挑戦という点で得られた知見は極めて有意義だった」とコメントした。
3000万ドル規模の民間宇宙支援契約とLINKの運用実績
- 軌道上滞在期間:低軌道環境において通算85日間の連続運用を実施。
- 望遠鏡への最接近距離:Swiftに対して12〜15キロメートルまで到達。
- 開発から打ち上げまでの期間:契約締結からわずか9カ月という短期間で宇宙機を完成。
- 商業プロジェクト契約総額:任務遂行のためにNASAから供与された3000万ドル。
制御を失ったSwift望遠鏡が迎える今後の大気圏再突入時期
Neil Gehrels Swift望遠鏡が地球へ落下する正確な日付や時刻については、現時点でも未確定の状況が続いている。太陽嵐の推移によって地球上層大気の密度が常に変動するため、地上追跡チームは降下軌道を常時監視し、残存する構造部品が大気圏で燃え尽きる最終到達時期の予測作業を継続している。
