Red Bull Racingのオランダ人ドライバーであるMax Verstappenが、マリーナベイ市街地コースで開催されたF1シンガポールGPのスプリントレースを制した。2026年10月10日土曜日に実施されたこの短距離レースは、悪天候により開始が30分遅れたうえ路面が濡れた状態で争われ、出走した22台のうち9台がチェッカーフラッグを受ける前に戦線を離脱する異例のサバイバル戦となった。
Verstappenはこの白星によって自身が持つF1最多記録を更新し、スプリント通算14勝目を手に入れた。Ferrariの英国人ドライバーLewis Hamiltonに対して2秒591のリードを保ってトップチェッカーを受けたことで、Verstappenは選手権ポイント8点を加算し、ドライバーズランキングで合計196点に達した。
雨の混乱とスタート手順の遅れを跳ね返したRed Bull Racingのポールポジション奪還
セッション開始の10分から15分ほど前にターン2およびターン3付近を集中的なスコールが襲ったため、レースディレクションは開始手順を延期した。部分的に水浸しとなった路面状況を受け、競技役員は全車に対してインターミディエイトタイヤの装着を義務付けた。セーフティカー先導による2周のフォーメーション走行を経て、スタンディングスタート方式でレースの火ぶたが切られた。
前日である2026年10月9日金曜日の予選でポールポジションを射止めていたVerstappenだったが、発進直後の加速でMercedesのGeorge Russellに先行を許した。相手のリタイアに伴い首位を奪回したものの、Verstappenはマシンのスタート性能に課題が残っていることを強調した。Verstappenは「スタート手順は相変わらずひどかった。日曜日にも同じことが起きれば本戦が台無しになるため、この点は必ず改善しなければならない」と決勝を見据えて語った。
FerrariはHamiltonが2位、チームメイトのCharles Leclercが3位表彰台を確保し、強固なチームリザルトを残した。4位にはMercedesのイタリア人ルーキーAndrea Kimi Antonelliが入り、チームメイトであるRussellのリタイアにも助けられ、ドライバーズ選手権におけるリードを89点差へと広げた。
AudiのGabriel Bortoletoが追突被害を受けピットで無念の戦線離脱
Audiから参戦しているブラジル人ドライバーのGabriel Bortoletoは、マシンへのダメージにより完走を果たせなかった。予選14番手からスタートしたBortoletoは、シグナル消灯直後に蹴り出しが決まらず17番手まで後退したものの、相次ぐセーフティカー導入の混乱を生かしてポジションを挽回しつつあった。
迎えた7周目のリスタート時、Bortoletoのマシン後部にWilliamsのAlexander Albonが激突した。この強い衝撃によってダメージを負ったBortoletoはピットへの退避を余儀なくされ、レースを早々に終えることとなった。この接触事案は競技終了後にスチュワードへ送致され、審議対象として取り扱われている。
コース上のクラッシュとマシントラブルで22台中9台が途中退場
難関マリーナベイで規定周回を走り切ったマシンは、スターティンググリッドに並んだ22台中わずか13台にとどまった。オープニングラップでは、ホームストレート手前の濡れた縁石に乗ったRussellがコントロールを失い、ウォールにクラッシュした。その直後にはターン16からターン17にかけてLance StrollとSergio Pérezが接触し、両者ともにその場で姿を消した。
中盤にはIsack HadjarとFranco Colapintoが相次ぐメカニカルトラブルでマシンを止め、Valtteri Bottasもサスペンションの不具合でガレージへ戻った。さらに15周目にはAlbonが戦線離脱した。最終周には3位のLeclercを猛追していたMcLarenのOscar PiastriとLando Norrisがターン5で同士討ちを演じ、Piastriはバリアに突き刺さってリタイア、Norrisは損傷を抱えながらも8位でゴールした。
スプリントでリタイアを喫したドライバーは以下の通りである。
- George Russell(Mercedes)
- Lance Stroll(Aston Martin)
- Sergio Pérez(Red Bull Racing)
- Isack Hadjar(Racing Bulls)
- Franco Colapinto(Alpine)
- Gabriel Bortoleto(Audi)
- Valtteri Bottas(Sauber)
- Alexander Albon(Williams)
- Oscar Piastri(McLaren)
スプリント終了時点の選手権得点状況と首位Andrea Kimi Antonelliのリード拡大
短距離走で付与されたポイントにより、2026年シーズンのタイトル争いには新たな変動が生じた。4位入賞で5点を上乗せしたAntonelliがリードを広げた一方、クラッシュに見舞われたRussellとNorrisは想定していたポイントを大きく取りこぼす形となった。
- 1位:Andrea Kimi Antonelli(Mercedes)— 325ポイント
- 2位:George Russell(Mercedes)— 236ポイント
- 5位:Max Verstappen(Red Bull Racing)— 196ポイント
大会審査委員会はAlbonとBortoletoの接触、さらに最終周に起きたNorrisとPiastriのチームメイト同士によるインシデントについて詳細な審議を継続している。マリーナベイ市街地コースでは同日10日土曜日に本戦用グリッドを決める公式予選が実施され、翌日2026年10月11日日曜日には全62周で争われるF1シンガポールGP決勝レースが行われる。
