北京の地下住宅で出稼ぎ労働者が暮らす、暖房管やトンネルに潜む危険と家賃高騰著者 Luís Henrique Costa
読了時間 約4分
![]() |
中国の首都北京では、不動産価格の高騰を受けて、地方から出てきた出稼ぎ労働者や低所得の労働者が地下へ移り住んでいます。点検用の穴、暖房用のトンネル、使われなくなった水路などが住まいになっています。
こうした地下の空間に暮らす人々は、「ネズミ族」と呼ばれています。市内の正規の住宅は家賃が高く、移民労働者は稼ぎの大半を家賃に取られてしまいます。そのため、少しでも支出を抑え、家族の仕送りに回す人が多いとされています。
地下の狭い空間での暮らしぶり
暖房用の配管は冬の寒さが厳しい北部の地下を温めるため、住人には暖かい環境になります。しかし、高圧の蒸気が漏れると、やけどの危険があります。
各部屋は狭く、立ち上がれないほど天井が低いことがあります。粗末なベッドの周りには、むき出しの電線、小さなコンロ、公衆トイレの近くで汲んだ飲み水の容器が並んでいます。
面積や危険、費用を示す住宅の概要
- 住宅の種類: 都市の暖房用の点検坑、使われなくなった雨水用の水路、改造された防空壕の地下室
- 面積と天井: 各空間は2平方メートルから6平方メートルで、天井は多くが1.5メートル未満
- 主な危険: 一酸化炭素の吸入、蒸気管によるやけど、窒息
- 住居費: 公共の井戸は無料、地下の部屋は仲介人に払う名目上の料金
窓も排水設備もなく、換気が不十分なため、湿気や有毒な蒸気がたまりやすくなっています。大雨の時期には浸水の危険もあります。出入口は重いマンホールの蓋で、夜に住人が静かに持ち上げて出入りしています。
詳しくはこちら: 2026年米中間選挙で民主党が上院と知事選の勝利を確実に、トランプ政権に試練
戸籍制度が住宅や学校の利用を制限する仕組み
1950年代から続く戸籍制度「hukou」が、農村出身者の大都市への移住を難しくしています。農村の戸籍では、都市で補助金付きの住宅制度や、市立学校、十分な医療サービスを受けにくくなります。
住宅支援を申請できない出稼ぎ労働者は、給与が低い仕事を選ぶしかありません。その結果、中心部の標準的なアパートやワンルームを借りることができない状況が生まれています。
こちらもおすすめ: 欧州委員会が市民に72時間分の非常用品の備蓄を推奨、EU加盟27か国の家庭が対象で法的拘束力はなし
北京当局は安全点検や街の景観を理由に、多くの地下通路の入口を閉鎖し、マンホールの蓋を溶接しました。立ち退いた住民の多くは遠い郊外へ移ったり、残っている配管の新しい抜け道を探したりしています。
1960年代から現在までの地下空間の移り変わり
- 1960年代と1970年代: 冷戦期に防空壕が大規模に造られた
- 1980年代と1990年代: 民間の保管庫や一時的な安価な住居として使われるようになった
- 21世紀初頭: 不動産価格が急騰し、北京の戸籍を持たない農村出身者が多く流入した
- 近年: 地表より低い場所にある非公式な住居を一掃する国の取り組みが強まっている
地下住宅の問題が都市行政に投げかける課題
北京市の行政は、都市の成長と、建設、清掃、配達などで必要とされる労働力のバランスをとる必要があります。手頃な住宅が仕事のある地域に十分になければ、地下の空間が最後の選択肢として残り続けます。














