高校生等奨学給付金は年収490万円未満まで対象拡大し支援額を改定

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Grupo de estudantes -Tsuguliev/shutterstock.com

高校生等奨学給付金の支給対象が令和8年度から拡大され、年収約490万円未満の世帯まで返済不要の給付金が届く仕組みが整いました。日本政府はこの制度改定にあわせて事業予算を前年度の152億円から322億円へと2倍以上に増額し、教科書費や学用品費といった授業料以外の実費負担を軽減する体制を本格化させています。

政府広報オンラインが2026年9月2日に公開した修学支援特集によると、世帯年収の制限が撤廃された授業料支援の高等学校等就学支援金に加えて、この高校生等奨学給付金も中間所得層までカバーする形へ再編されました。政府広報オンラインは「令和8年度から高校生等の修学支援が拡充。高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃され、世帯年収を問わず返済不要で授業料支援が受けられるようになりました」と説明しています。

高校生等奨学給付金事業の主要要件と制度概要

写真: Gumpanat / shutterstock.com
  • 実施主体:文部科学省および各都道府県
  • 対象世帯基準:生活保護受給世帯、住民税非課税世帯、住民税所得割額合算10万5500円未満、18万2500円未満の各世帯
  • 対象費目:教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、修学旅行積立金などの授業料以外の教育費
  • 国の財政負担割合:従来の3分の1から2分の1へ引き上げ
  • 2026年度予算規模:322億円

世帯区分と国公立および私立学校別の年間給付額

高校生等奨学給付金の給付額は、在籍する学校が国公立か私立か、また全日制か通信制かによって細かく規定されています。全日制課程に通う場合、住民税非課税世帯への支給額は国公立で年額14万3700円、私立で年額15万2000円が上限として維持されています。これらに加え、令和8年度から新設された年収区分によって、これまで支援が届かなかった中間層への支給が開始されました。

年収約270万円から380万円未満に相当する世帯区分では、全日制の国公立高校生に対して年額4万7900円、私立高校生に対して年額5万670円が交付されます。さらに年収約380万円から490万円未満に相当する世帯区分に対しては、全日制の国公立で年額3万5930円、私立で年額3万8000円が支給される設計です。通信制課程の生徒については、年収約270万円から380万円未満世帯で国公立1万6830円、私立1万7370円となり、年収約380万円から490万円未満世帯では国公立1万2630円、私立1万3030円が定められています。

住民税所得割額による判定基準と申請時の確認点

支給判定にあたっては、額面の給与収入そのものではなく、保護者全員の住民税所得割額の合算値が厳格な基準として用いられます。年収約270万円から380万円未満とされる区分の基準値は道府県民税と市町村民税の所得割合算で10万5500円未満であり、年収約380万円から490万円未満の区分は所得割合算が10万5500円以上18万2500円未満に収まる必要があります。このため、申請を検討する保護者は自治体から交付される住民税課税証明書などの税額表示を確認して照合しなければなりません。

制度の運用は国が定めた統一基準に基づいているものの、実際の申請受付期間や必要書類の提出窓口は47都道府県ごとに個別の事務処理要領が設けられています。生徒の国籍や在留資格による適用条件の違いが存在するほか、年度の途中で家計が急変して対象世帯相当の基準まで収入が下がった場合にも給付対象として取り扱われる措置が用意されています。

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少子化対策と教育費無償化が進んだ背景と今後の日程

高校生等奨学給付金は、授業料無償化だけでは補えない教科書代や通学費などの実費負担に着目し、平成26年度に創設された制度です。当初は生活保護受給世帯や住民税非課税世帯に限定されていましたが、急速に進む少子化への対策や教育格差の是正を目的とした2025年末の政党合意を経て、中間層への大規模な給付拡充が具体化しました。国会では2026年3月31日に就学支援金の所得制限撤廃を含む関連法案が可決成立し、2026年4月1日から新体制がスタートしています。

各都道府県における具体的な振込時期や申請締め切り期日については、自治体ごとの教育委員会が発表する日程に基づいて順次進行しています。文部科学省は2026年9月3日、2027年度予算の概算要求においても高校生等奨学給付金の予算枠として同水準となる322億円の基準を維持する方針を示しており、各自治体での申請受付手続きが今後本格化します。

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