目薬リコールで米FDAがSterling Pharmaceuticalの無菌性未確認74万点超をクラスII指定し大手薬局Walgreensなど全米で回収を本格化
米国の一般医薬品市場において、製造工程における無菌性の担保が不十分であるとして、点眼薬および眼軟膏あわせて約75万個が全米規模で自主回収されている。この安全措置は大手ドラッグストアチェーンや主要薬局で流通する製品に及んでおり、そのうち50万個以上が大手薬局チェーンのWalgreensプライベートブランドとして販売された製品となっている。
米国食品医薬品局(FDA)は今回の回収措置について、公衆衛生上のリスク区分を正式に認定し、目の乾燥緩和や人工涙液、生理食塩水などの点眼製剤が影響を受けていると発表した。対象となるすべての製造ロットは、米国イリノイ州デュポに本社および工場を構えるSterling Pharmaceutical Services LLCが受託製造した製品である。
米イリノイ州デュポ工場における品質管理と過去の是正警告
- 製造業者:Sterling Pharmaceutical Services LLC
- 製造拠点:米国イリノイ州デュポ
- 対象総数:点眼ボトル、2本組パック、軟膏チューブの計74万7844個
- 対象製品群:市販OTC医薬品9ブランドの各製剤
- 規制分類:米国食品医薬品局(FDA)基準のクラスIIリコール
同社が操業するイリノイ州デュポの製造拠点が連邦規制当局から問題点を指摘される事態は、今回の回収事例が初めてではない。FDAは2022年9月の定期査察時にも同社へ公式な警告書を送付しており、充填ラインにおける滅菌管理の不備や、無菌環境内での微粒子連続モニタリング体制の欠如など重大な不備を指摘していた経緯がある。
今回の安全措置の対象となったのは、有効成分としてカルボキシメチルセルロースナトリウム0.5パーセントを含む点眼薬や、5パーセントの高張食塩水点眼液、夜間用潤滑眼軟膏などの処方製剤である。これらの製品は角膜の保護バリア形成や乾燥防止を目的として眼球へ直接投与されるため、無菌性が損なわれて微生物汚染が生じた場合には角膜や眼球組織へ直接的な健康被害をもたらす危険がある。
自主回収の対象となった点眼液および眼軟膏の製品別数量
- Walgreens Lubricant Eye Drops(15ミリリットル単体ボトル):30万1114個
- Walgreens Lubricant Eye Drops(2本組ツインパック):19万9600セット
- AvKare Carboxymethylcellulose Sodium 0.5%(2本組ツインパック):10万7377セット
- Reliable-1 Laboratories Lubricating Tears(15ミリリットルボトル):4万7616個
- Major LubriFresh P.M. 夜間用眼軟膏(3.5グラムチューブ):3万4368本
- Cameron Pharmaceuticals Carboxymethylcellulose Sodium 0.5%(15ミリリットルボトル):1万9284個
- TRP The Relief Products Gentle Eyes(15ミリリットルボトル):1万4538個
- AvKare Carboxymethylcellulose Sodium 0.5%(15ミリリットル単体ボトル):1万2864個
- Reliable-1 Laboratories 高張食塩水5%点眼液(15ミリリットルボトル):1万1083個
回収の基準について、FDAは今回の措置を「クラスII」として公式に認定している。FDAの技術的基準においてクラスIIとは、「製品の使用または暴露により一時的もしくは医学的に可逆的な健康被害が生じる可能性があり、重篤な健康被害の発生確率は極めて低い状況」と厳格に定義されている。
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対象製品の大規模な流通実態が確認されている一方で、保健当局によると現時点でこれら特定ロットの使用に直接起因する重篤な細菌感染症や失明など恒久的な視覚障害の公的報告は確認されていない。製造元であるSterling Pharmaceutical Services LLCに対して各報道機関が製造工程の不備原因について説明を求めたものの、同社からの公式回答は得られていない。
製品のロット確認方法と異常発生時における医療機関受診の指針
今回の自主回収は、米国市場で流通した製品だけでなく個人輸入や並行輸入などを通じて該当ブランドを購入した国内外のすべての消費者に影響を及ぼす。FDAの勧告に基づき、利用者は手元の点眼ボトルや外箱、軟膏チューブの底面に記載されたブランド名、ロット番号、使用期限を規制当局が公表した一覧と速やかに突き合わせる必要がある。
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確認の結果として製品が該当ロットに含まれていた場合は、直ちに使用を取りやめて自治体の定める廃棄ルールに従い適切に処分しなければならない。すでに該当製品を使用し、目の痛みや持続的な充血、異常な目やに、まぶたの腫れ、視力低下などの自覚症状が生じている利用者は、速やかに眼科専門医や救急医療機関を受診して診察を受けることが強く求められている。
自主回収手続きの開始から情報公開に至るタイムライン
- 2026年8月20日:Sterling Pharmaceutical Services LLCが対象9製品の自主回収手続きを着手
- 2026年9月21日:FDAが一連の回収措置を正式に「クラスII」リコールとして公認
- 2026年10月2日:市場に流通した全ロット番号と確定数量の詳細報告書が一般向けに公開
全米に流通した計74万7844個の製品を完全に追跡するため、医薬品卸売業者および小売ネットワークの物流ルートを通じた回収作業が現在も継続して進められている。各販売チェーンの店頭棚からの完全撤去を徹底し、消費者の安全を確保するための監督業務が連邦当局の指導のもとで実施されている。
